후리가나로 읽는 일본 고전
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わがあいするしじんのでんき
我が愛する詩人の伝記
室生 犀星
室生 犀星의 我が愛する詩人の伝記(わがあいするしじんのでんき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 116,728자 · 231화면
老大家の小説作家としての彼を見ていた眼には、ああいう老大家もくちばしの黄ろい囀りを敢えて行うていたかと、見直したときには詩人としての藤村山嶽には、前山とも見られる幾多の美しい若木で飾られた麓山を四顧したものであった。
まだあげ初めし前髪の
林檎のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛の
花ある君と思ひけり
やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへしは
薄紅の秋の実に
人こひ初めしはじめなり
(中略)
林檎畠の樹の下に
おのづからなる細道は
誰が踏みそめしかたみぞと
問ひたまふこそこひしけれ
昭和十二年外遊から帰朝した藤村は、出版記念会や集会宴席には一さい出席しないでいた。健康がすぐれないためと、人に会うことの煩瑣を避けるためであった。止むをえない会合には、その招きの封筒を静子夫人に、朝の郵便物を読み分けながら手渡して言った。
「あんた、この会に出てくれるか、席を外すわけに行かないからね。」
静子夫人はその通知の葉書を読んだ。
「ええ、参ります。」
「代って顔だけ出してくれればいいんだから、卓上演説がほぼ済んだ頃に、席を抜けてくれればいい。」
「え、そういたしますわ。」
「宴会には隙間みたいなものがあるから、その隙間にそっと眼立たぬように椅子に音をさせないで、うしろの方にすべり出るようにするんだね。