후리가나로 읽는 일본 고전
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われにそむく
我に叛く
宮本 百合子
宮本 百合子의 我に叛く(われにそむく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 29,414자 · 59화면
そして、真木が笑いながら、顔を出した。誰かと思って、ひょいとそちらを見ると、ゆき子は自分の顔色が変るのが分るような心持がした。何か真木に異常のあったことが直覚されたのだ。
「まあ、どうなすったの? 気分が悪くおなりになったの?」
ゆき子は我知らず立上りながら彼の傍によった。傍で両親達は、怪訝(けげん)な顔で眺めている。
「どうなすったの?」
「大丈夫、大丈夫、どうもしやしない。――ただ、お湯が少し冷たすぎて」
「何? 湯がぬるかった? それは、いかん。風を引かないかな?」
「大丈夫ですとも。――中で散々暴れて来ましたから」
熱いものを飲まなければいけないとか何とか一頻りごたごたして、彼等が×町を出たのは、もうかれこれ十二時過ていた。電車も止った深夜の大通りを、さっさと早足で歩きながら、ゆき子は、新たな驚を自分の心に感じた。
「部屋にはあれだけ人がいたのに、先ず真先に、真木に何か異ったことのあるのに気付いたのは、この自分であった」――そこには無限の意味がある。彼女は、あれほど不愉快な思をし、あれほどはっきり「構やしない」と思っておりながらも、いざという時には真先に注意が及ぼすほど、内心に深く広く行き亙った自分の愛に、感激したのであった。