후리가나로 읽는 일본 고전
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あるおんな
或る女
有島 武郎
有島 武郎의 或る女(あるおんな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 149,981자 · 295화면
葉子は一人の男をしっかりと自分の把持の中に置いて、それが猫が鼠でも弄ぶるように、勝手に弄ぶって楽しむのをやめる事ができなかったと同時に、時々は木村の顔を一目見たばかりで、虫唾が走るほど厭悪の情に駆り立てられて、われながらどうしていいかわからない事もあった。そんな時にはただいちずに腹痛を口実にして、一人になって、腹立ち紛れにあり合わせたものを取って床の上にほうったりした。もう何もかもいってしまおう。弄ぶにも足らない木村を近づけておくには当たらない事だ。何もかも明らかにして気分だけでもさっぱりしたいとそう思う事もあった。しかし同時に葉子は戦術家の冷静さをもって、実際問題を勘定に入れる事も忘れはしなかった。事務長をしっかり自分の手の中に握るまでは、早計に木村を逃がしてはならない。「宿屋きめずに草鞋を脱ぐ」……母がこんな事を葉子の小さい時に教えてくれたのを思い出したりして、葉子は一人で苦笑いもした。
そうだ、まだ木村を逃がしてはならぬ。葉子は心の中に書き記してでも置くように、上目を使いながらこんな事を思った。
またある時葉子の手もとに米国の切手のはられた手紙が届いた事があった。