후리가나로 읽는 일본 고전
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あるおんな
或る女
有島 武郎
有島 武郎의 或る女(あるおんな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 149,981자 · 295화면
二
「また何か考えていらっしゃるのね」
葉子はやせた木部にこれ見よがしという物腰ではなやかにいった。
古藤はあまりはずんだ葉子の声にひかされて、まんじりとその顔を見守った。その青年の単純な明らさまな心に、自分の笑顔の奥の苦い渋い色が見抜かれはしないかと、葉子は思わずたじろいだほどだった。
「なんにも考えていやしないが、陰になった崕の色が、あまりきれいだもんで……紫に見えるでしょう。もう秋がかって来たんですよ。」
青年は何も思っていはしなかったのだ。
「ほんとうにね」
葉子は単純に応じて、もう一度ちらっと木部を見た。やせた木部の目は前と同じに鋭く輝いていた。葉子は正面に向き直るとともに、その男のひとみの下で、悒鬱な険しい色を引きしめた口のあたりにみなぎらした。木部はそれを見て自分の態度を後悔すべきはずである。
二
葉子は木部が魂を打ちこんだ初恋の的だった。それはちょうど日清戦争が終局を告げて、国民一般はだれかれの差別なく、この戦争に関係のあった事柄や人物やに事実以上の好奇心をそそられていたころであったが、木部は二十五という若い齢で、ある大新聞社の従軍記者になってシナに渡り、月並みな通信文の多い中に、きわだって観察の飛び離れた心力のゆらいだ文章を発表して、天才記者という名を博してめでたく凱旋したのであった。