일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

あるひ

或る日

宮本 百合子

宮本 百合子의 或る日(あるひ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,119자 · 21화면

아오조라 문고

一寸の間でございますのに此那にまで……」

さほ子は、懸命な声で、

「いいえ、いいえ。其どころじゃあないわ」

と打ち消した。

そして、生えぎわの美しい千代の下げた頸筋を苦しそうに見下しながら、いたたまれないように何遍も何遍も、落ちていもしない髪をかきあげた。

千代は、その午後のうちに、来た時通り藤色の包みを一つ持ったきりで彼等の家を去った。彼女が出て行った後をしめ、樹の間に遠のく姿を暫く見ていたさほ子は、今にも涙を出しそうに、うるんだ眼をして良人の処に来た。揺椅子で日向ぼっこをしていた彼は、

「有難う、有難う」

と云いながら、彼女の片手を執って敲いた。

「御苦労様。これでれんが来れば申し分はない。――いいお正月を迎えよう、ね?」

「いや!」

彼女は睫毛まで光る涙をあふれさせ、良人の手を離した。

「貴方は本当のエゴイストよ。御存じ? 私又れんに迄云い訳しなけりゃあならないなんて……。もう沢山よ。あんなこと」

彼は、ちらりとさほ子を見上げ、やれやれと云う風に頭を振った。そして、脚を毛布でくるみなおした。

さほ子は、時々足をかえて、一方から一方へと体の重みをうつしながら、何時迄も良人の椅子の傍に佇んでいた。