후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
あるひ
或る日
宮本 百合子
宮本 百合子의 或る日(あるひ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,119자 · 21화면
僕は全く辛棒していたんだよ。ひとの顔さえ見ると何より先にきょとついて、はい、はいとやられると――参るよ」
さほ子も段々笑い出した。そして、良人の意見に賛成して散々気の毒な老女のぽんち姿を描いて笑い興じた。けれども、笑うだけ笑って仕舞うと、彼女は、足をぶらぶら振るのもやめ困った顔で沈んで仕舞った。
「もうじき大晦日だのにね。――どうするおつもり?」
彼女は、歎息まじりに訴えた。
「今其那に女中なんかないのよ。貴方男だから好きになすったって如何かなるには違いないけれど。――私困るわ。――返事位少し沢山したってれんを置いて下さればいいのに。……あの人もあの人ね。私に云うと止められるものだから、まるで狡いわ。ただ行って参りますって云うんですもの」
さほ子の声が次第に怪しく鼻にかかり、口先の慰撫が困難になって来ると、彼は、そろそろ自分の所業を後悔し出した。
「いや全く、いくらはいはい云おうとも、いないには増しに違いなかったろう。葉書で呼びかえすかな。然し、又、あれに攻められるのはやり切れないが」
彼等は、おそい昼飯を至極技巧的な快活さに於て食べた。――彼は、出来るだけ愉快な心持で善後策を講じる準備に、体は動せない代り、能う限り滑稽な話題で彼女を笑わせようとした。