후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
あるおとこのしゅき
或る男の手記
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 或る男の手記(あるおとこのしゅき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 43,279자 · 86화면
私むっとして、じゃあ帰りますって立上ると、屹度私の顔色が変ってたのかも知れませんわ、慌ててお引止めなすって、泊っていってもいいってことになったんですの。それでも、今晩は同じ室に寝ない方がいいと云って……それも私を愛してるからですって!……御自分は別の室に寝ようとなさるんです。そうなりゃ私も意地で、是非帰ると云ったんですけれど、とうとう、私が外の室に寝ることにして、泊ってしまいました。それも下座敷の穢い室で、畳の辺は擦り切れ、壁に新聞の附録か何かの美人画がはりつけてあって、狭い床の間には古机が一つ横倒しになっています。その中で私は、下宿屋の薄い穢い布団にくるまって、涙が独りでにこぼれてきました。松本さんは私に、今晩はこれで辛抱して下さい、こんな風にするのもあなたを愛してるからで、後で分る時が来ますって、そう仰言ったけれど、そんな愛し方ってあるものでしょうか。私が何もかもうっちゃって縋りついていったのに、帰れと云ったり別の室に寝かしたりして……あら私、何も一緒にどうのっていうんじゃありません、せめて同じ室にくらい寝かしたってよさそうなものですわ。私口惜しくって、夜中過ぎまで震えながら泣いていましたが、もうどうとでもなれと諦めて、それに前の晩一眠りもしなかったんですもの、朝遅くまで寝入ってしまいましたの。