후리가나로 읽는 일본 고전
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せんうんをかるじょかい
戦雲を駆る女怪
牧 逸馬
牧 逸馬의 戦雲を駆る女怪(せんうんをかるじょかい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 29,866자 · 59화면
1
露独連絡の国際列車は、ポーランドの原野を突っ切って、一路ベルリンを指して急ぎつつある。
一九一一年の初夏のことで、ロシアの国境を後にあの辺へさしかかると、車窓の両側に広大な緑色の絨毯が展開される。風は草木の香を吹き込んで快い。一等の車室を借りきってモスコーからパリーへ急行しつつある若いロシア人ルオフ・メリコフは、その植物のにおいに鼻孔を擽られながら、窓の外に眼をやると、そこには、いままでの荒涼たる景色のかわりに、手入れのゆきとどいた耕地がある。白揚の並木と赤瓦の農家がある。西欧の天地だ。メリコフは汽車の速力を享楽してうっとりしている。
ポウゼン駅にちょっと停車して動き出すとまもなく、車室の外の廊下に男女の争う声がするので、メリコフは覗いて見た。車掌が、ポウゼンから乗って来たらしい二十五、六の上品な服装の婦人を、なにか口汚く罵っている。その婦人もなかなか負けていない。なにか切符に手違いがあって、予約してあるはずの車室が取ってないというのだ。貴族階級の甘やかされている婦人に特有の口調で、女は猛烈に車掌に食ってかかっている。
「切符はいまポウゼンで買ったばかりですけれど、三時間も前に、二つ三つむこうの停車場に止まっていたこの列車に駅から電話をかけさせて車室を申し込んであるのよ。