후리가나로 읽는 일본 고전
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せんうんをかるじょかい
戦雲を駆る女怪
牧 逸馬
牧 逸馬의 戦雲を駆る女怪(せんうんをかるじょかい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 29,866자 · 59화면
仕方がない。こいつを床へ送るためにはもっと強い飲物が必要である。フォン・リンデン伯爵夫人と、給仕に出ていた執事との間に素早い眼配せが交された。つぎに運ばれてきた火酒の壜からは、相手にだけ奨めて、自分は飲む態に止めておくように、夫人は、眼立たないように注意した。三十分もすると、ギリシャ正教徒の生ける屍ができあがった。その、完全に感激してぐったりしてる狂信家を、そっと夫人の寝室へ運び上げた。別室に待っていた指の利く専門家のスパイが呼び込まれてさっそくメリコフの身体検査に着手する。メリコフは、重要そうにふくらんだ折り鞄を持って来ていて食事の間も足許に引き付けていたが、どうせ古新聞紙でも詰め込んだもので、そいつへ注意を外らそうという看板にきまっている。スパイたちはそんな物へは眼もくれなかった。伯爵夫人の指揮ですぐ腹部の釦鈕を開く。案の定、膚に直接厳丈な革帯を締めていた。ポケットがある。特製の錠がおりていたが、指仕事専門のスパイは、錠を壊さずにたくみに開けて、中から書類を取り出した。その書類を地下室へ持っていって写真を撮ったのち、すぐメリコフのポケットへ返して錠をおろし、元どおり洋服の釦鈕を掛けておいた。