후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
おうぎの
扇野
山本 周五郎
山本 周五郎의 扇野(おうぎの)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 33,727자 · 67화면
その下絵が仕上るまでは、仕事場へは誰も入らないことになっていた。庭には高野槇の生垣で仕切がしてあり、その木戸にも掛金が掛けたままになっているが、石川孝之介はその掛金を外して、勝手に入って来たのであった。
庭は芝生であるし、孝之介は草履をはいているので、彼が広縁の近くへ来るまで、栄三郎はまったく気がつかなかった。孝之介は広縁のそばへ来て、そこに立って暫く眺めていた。その(まばたきをしない)大きな眼で、栄三郎の手もとをじっと眺めていて、やがて軽く咳をした。栄三郎はとびあがりそうになった。そこへ誰か来ようなどとは考えもしなかったし、熱中し緊張しすぎていたので、それが石川孝之介であり、無断で入って来たのだと知ると、怒りのために躯がふるえるようであった。
二人はお互いの眼を見合った。
「驚かしたようだな」
やがて孝之介が云った。
「驚かすつもりはなかったんだ、しかし本当に驚かされたのは私のほうなんだがね」
「失礼ですが困りますね」
「わかっている、話が済めばすぐに帰るよ」と孝之介は云った、「二人だけで話したいことがあるんだ、ごく簡単なことなんだが、角屋には聞かせたくないんでね」