후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
とびらのかなたへ
扉の彼方へ
岡本 かの子
岡本 かの子의 扉の彼方へ(とびらのかなたへ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 8,155자 · 17화면
しかし、彼に黙って迎え取られて行く前に、たった一つ訊いてみなければならないことがある。私はちょっと口籠りながら、しかし勇気を起して訊ねました。
「あの、あなたの奥さまの悲劇はどういうことから起りましたの」
すると、及川はぐっと口を結んだが、額の小鬢には興奮の血管が太く二三筋現れました。けれどやがてその興奮をも強く圧えてから云った。
「つまり、私があんまり完全無欠に女を愛し切ろうとしたためです。あの種の女に取ってはそういう男の熱情がただ圧制とばかり感じられて、死にもの狂いの反抗心を起させると見えます。こんなことを人に話しても判って貰えないかも知れませんが……」
及川は顔を悪魔のように皺めて、
「やっぱり女には一部分それとなく気ままな自由を残して置いてやらなければ息がつけないと見えますね」
悔いと怒りを堪えるために却って無表情に帰した中年男の逞ましい意旨だけが、大きく瞠いた眼と、膨れた鼻孔とに読めました。
「私も前半生に於て痛切な勉強をしたものです」と彼は小さく声を低めて云いました。
私はむくりと骨から剥がれた肉の痛みのようなものを心に感じて、今居ない珪次が可愛相でならなくなりました。