후리가나로 읽는 일본 고전
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おしかけにょうぼう
押しかけ女房
伊藤 永之介
伊藤 永之介의 押しかけ女房(おしかけにょうぼう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,073자 · 22화면
が、翌る年の三月末の卒業式と同時に、初世は佐太郎の眼の前から姿を消した。それ以来幾月というもの、自転車での学校の行き帰りの路でも、ついぞその姿を見かけることがなく、初世はやがて佐太郎の念頭からきれいに消え去りかけていた。
ところが、その秋の稲刈前の村の神明社の祭に、佐太郎は久しぶりにヒヨツコリ初世の姿を見かけた。初世は同じ年頃の娘たち四、五人連れであつた。佐太郎の方もまた、村の仲間の秀治と友一との三人連れだつた。子供のオモチヤや、小娘たちの喜ぶ千代紙やブローチや手提などを、まばゆくきらびやかに照らし出す夜店のアセチレン灯の光が、わずか半年ほど見なかつただけの初世の姿を、人ちがいかと思わせるほど美しく大人ツぽく見せた。
夜店の人混みの前で、行きちがつたこの男女の二組は、間もなくまた出会つた。行きちがつて、今度はもう会わないだろうと思つていると、またもや出会つた。お神楽の前の人混みで手品や漫才の櫓の下の人群のなかで、また夜店の前で、この二組は不思議に何度も行き会つた。その度に、娘たちが殊更に狼狽の様子を見せたり、誘いかけるように振り返つたりすることで、佐太郎はその娘たちのなかでいちばん姉さん株で引卒者という立場の初世が、わざと出会うように仕組んでいるのではないかと疑いはじめた。