일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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おしかけにょうぼう

押しかけ女房

伊藤 永之介

伊藤 永之介의 押しかけ女房(おしかけにょうぼう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,073자 · 22화면

아오조라 문고

実際はその逆で、多少不良性のある秀治が、その一流の小狡さで誰にも気ずかれないようにたくみにみんなを引ツぱり廻しているのだつたが、佐太郎はそのときには気がつかずにいた。

夜店の前で四度目に出会つたとき、秀治たちは露骨に娘たちをからかいはじめた。娘たちはキヤツ/\と嬌声を上げながら、暗闇の方に逃げ出したが、その癖遠くへは行かず、いよ/\秀治たちを強くそつちに引きつけた。秀治と友一の二人は、間もなく娘たちを大銀杏のかげの暗がりの方に追いかけて行つた。お神楽の笛が、人混みのざわめきの向うで鳴つていた。夜店のアセチレン燈の光が、かすかにとどく銀杏の根もとに、初世は一人仲間からはぐれて、空ろな顔で突ツ立つていた。

「おい、帰ろう――あいつらはもう、どこに行つたかわからないから」

娘たちともつれ合つているだろう仲間に、しびれるようなねたましさを感じていた佐太郎は、思いがけない初世の姿を見出すと同時に、曾てそういうことで揮い起したことのない勇気をふるつて一気にそれだけ言い切つた。声がふるえていた。

何故ツて、それは随分思い切つた申出であつた。三日月の光があるとは言つても、殆ど闇夜に近い暗い遠い夜路を、二人だけで帰ろうというのだつたからである。