후리가나로 읽는 일본 고전
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せっぷんをぬすむおんなのはなし
接吻を盗む女の話
佐左木 俊郎
佐左木 俊郎의 接吻を盗む女の話(せっぷんをぬすむおんなのはなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 4,474자 · 10화면
二 絶交
翌朝になってから三枝子は自分の心の中に一つの芽を感じた。今までに経験したことのない感情が動いているのだった。
毎日職を漁りに出て行く夫が、家庭の外でどういう行動を取って帰って来るのか? 三枝子は瞭然とそれを知りたい気がした。朝に出て夜に帰って来るその間には、どこかへ勤めをして、なおそこに一つの生活を持ち得る時間の余裕があるのだ。そしてその生活は、その勤めからの報酬で十分に支え得るであろう。
そこまで考えると、三枝子は最早夫に対して昨夜のことを詰責せずにはいられない気がした。彼女は夫の方を偸み見た。
併し彼女の夫は、鈍感な妻が気のついている筈は無い! と思って済ましているのだ。彼は至極善良な主人らしく、食卓の傍の畳に朝刊を拡げて三面記事を読み続けた。三面よりも、彼は当然職業案内の欄を探るべきなのに……。
こうして夫は欺き続けて来たのだ。三月の間というもの、職業を職業をと、朝に出ては夜になって帰って来た。当然自分の負わなければならない経済上の責任を妻に負わして置いて、他に勝手な自分の生活を拓いているのだ。共同生活内の一員が、微塵も共同生活の責任を負わずにいて、他に自分の生活を築くということは、三枝子の場合、最も許しがたい気持ちだった。