후리가나로 읽는 일본 고전
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はせくらじけん
支倉事件
甲賀 三郎
甲賀 三郎의 支倉事件(はせくらじけん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 204,697자 · 406화면
「御主人のことは知りませんが、今朝奥さんが急に焼増をたのまれまして、どんなに遅くても今日中に届けて呉れと云われましたので、以前から御贔屓になっていますから止むを得ずお引受したのです」
彼の答えは澱みがなかった。石子はそっと渡辺の顔を見た。
確に支倉に関係ある男と睨んで深夜に取押えた怪漢が、思いがけなく附近の写真館の主人だったので、石子刑事は落胆して終った。それは彼の返答に曖昧な所がなく、警察署へ同行を求める口実もないので、そのまゝ帰すより仕方がなかった。
石子は渡辺刑事の顔を覗ったが、渡辺にも格別好い智恵がないらしかった。
「どうも失礼、よく分りました」
石子刑事は写真師に云った。口惜しそうな調子は隠す事が出来なかった。
写真師は別に嬉しそうでもなく、腹を立てたと云うでもなく、黙って一礼するとさっさと歩いて行った。
渡辺刑事は如才なくそっと彼の跡を追った。
暫くすると刑事は帰って来た。
「確に浅田写真館の中へ這入ったよ」
渡辺は茫然している石子にそう云った。
二人はもう之以上見張りを続ける勇気がなくなった。夜が明けるのを待兼ねて二人はそれ/″\宿所へ引上げた。