후리가나로 읽는 일본 고전
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こきょう
故郷
太宰 治의 故郷(こきょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,843자 · 22화면
という部屋へさがって、その一隅に坐った。長兄の嫂も、次兄の嫂も、笑顔を以て迎えて呉れた。祖母も、女中に手をひかれてやって来た。祖母は八十六歳である。耳が遠くなってしまった様子だが、元気だ。妻は園子にも、お辞儀をさせようとして苦心していたが、園子はてんでお辞儀をしようとせず、ふらふら部屋を歩きまわって、皆をあぶながらせた。
兄が出て来た。すっと部屋を素通りして、次の間に行ってしまった。顔色も悪く、ぎょっとするほど痩せて、けわしい容貌になっていた。次の間にも母の病気見舞いの客がひとり来ているのだ。兄はそのお客としばらく話をして、やがてその客が帰って行ってから、「常居」に来て、私が何も言わぬさきから、
「ああ。」と首肯いて畳に手をつき、軽くお辞儀をした。
「いろいろ御心配をかけました。」私は固くなってお辞儀をした。「文治兄さんだ。」と妻に知らせた。
兄は、妻のお辞儀がはじまらぬうちに、妻に向ってお辞儀をした。私は、はらはらした。お辞儀がすむと、兄はさっさと二階へ行った。
はてな? と思った。何かあったな、と私は、ひがんだ。この兄は、以前から機嫌の悪い時に限って、このように妙によそよそしく、ていねいにお辞儀をするのである。