후리가나로 읽는 일본 고전
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ぶんがくいぜん
文学以前
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 文学以前(ぶんがくいぜん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 19,171자 · 38화면
私は先般、上海の租界裏町で、数名の人々と回教料理を味いながら、老酒の酔がまわるにつれて、イブン・サウドのことを思い出したのである。
回教料理は面白い。初めに幾種類かの前菜が出て、それからいよいよ羊の肉となる。食卓の中央に焜炉が据えられ、焜炉の上の鍋には、真中に小さな煙筒がつきぬけていて、下の火力が衰えないようにされている。羊の肉は薄く切って、径十五センチぐらいの平皿に河豚の刺肉のように並べてある。それを一切ずつ箸でとって、ぐらぐら沸立ってる鍋の湯に浸し、各自の好みに合う程度に自ら煮て、したじにつけて食べる。そのしたじの薬味が大変で、各種の醤油や酢や味噌や葱や香料など、十種類から十五種類に及ぶものを、これまた各自の好みに応じて自ら調合するのである。
羊肉の皿は次々と運ばれてくる。沢山食べるほど豪いとされている。空皿を自分の前にうず高く積上げるのが自慢なのである。もし一二枚で終るほど弱い胃袋の持主なら、料亭の主人から軽蔑の眼で見られる。――アラビアの砂漠では、一人の妻しか持ち得ない弱体の王族は、恐らく同様な眼で人々から見られるだろう。
ところで、上海のその料亭で陶然とした私の心に浮んだものは、胃袋とか、結婚とか、戒律とか、つまり、緯度や経度で異る習俗道徳のことではなくて、イブン・サウドがその素晴しい芝居によって