일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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みすじまちかいわい

斎藤茂吉随筆集

斎藤 茂吉

斎藤 茂吉의 斎藤茂吉随筆集(みすじまちかいわい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 17,559자 · 37화면

아오조라 문고

私は地図を書いてもらって徒歩で其処に訪ねて行った。二階の六畳一間で其処に中林梧竹翁の額が掛かっていて、そこから富士山が見える。私は富士山をそのときはじめて見た。夏の富士で雲なども一しょであったが、現実に富士山を見たときの少年の眼は一期を画したということになった。この画期ということは何も美麗な女体を見た時ばかりではない。山水といえども同じことである。

郷里の上ノ山の小学校には時々郡長が参観に来た。江嘉氏であったとおもうが鹿児島出身の老翁で、英吉利軍艦に談判に行った一行の一人であった。校長に案内されて郡長は紙巻の煙草をふかしながら通る。ホールで遊んでいる児童が立って敬礼をする。そのあとに煙草の煙の香が残る。煙は何ともいえぬ好い香で香ばしいような酸っぱいような甘いような一種のかおりである。少年の私はいつもその香に淡い執著を持つようになっていた。しかるに東京に来て見ると、うちの代診も書生どももかつて郡長の行過ぎたあとに残ったような香のする煙草を不断吸っている。ひそかにそれを見ると皆舶来の煙草である。そしてパイレートというのの中には美人だの万国の兵士だのの附録絵がついているので私もそれを集めるために秘かに煙草を買うことがある。