후리가나로 읽는 일본 고전
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となんせんせい
斗南先生
中島 敦의 斗南先生(となんせんせい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 22,262자 · 44화면
それに、冗談にも催促がましいことでも口にしようものなら大変なのだから、全く、ひどい目に逢うものだと三造は思った。車が次第に郊外らしいあたりにはいって行った時、しかし、伯父は、突然自分の財布を出して五円紙幣を一枚抜き出した。明らかに、今度は自分で払うつもりに違いない。三造は、ちょっと助かったような気がしたけれど、それにしても財布まで出しながら、まだ、昨夕の汽車賃のことを思い出さないのは変だと思った。車はやがて八尾の町にはいって、しばらくすると、伯父は、そこで車を停めさせて、どうも此処らしいから下りて見るといった。三造は初めてであるし、伯父もまだ二度目なのではっきり分らないのである。三造を車内に残して、ひとり下りた伯父は、紙幣を一枚、右の人差指と中指の間にはさんだまま、あまり確かでない足どりで、往来から十間ほどひっこんだ路次にはいって行った。そして、突当りの格子戸の上の標札を読むと、病人のわりにかなり大きな声で「ああ、ここだ。ここだ」といって、彼の方を向いて手招きをした。それからそのまま――紙幣を指の間にはさんだまま――格子をあけて、すうっとはいってしまったのである。