후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 190,406자 · 381화면
天機と人
元康の計った兵機は、思うつぼに、大高城への道を開いたのである。
たとえ忠烈な二千の三河武士を血草のなかに捨てる気でも、敵の鷲津と丸根の要砦が、大高への道を抑えている以上、脚の重い輜重馬を千余駄も曳いて通ることは、絶対にできない業であった。
その出来得ない難役へ、今川義元は、質子を向けたが、元康はその難命を欣んでうけて、しかも見事に為果した。
無数の松明が照らす道を、千駄の輜重馬は勇みに勇んで大高城へと通った。餓死にせまっていた城門の中へ、その烈々たる火の明りと、千駄の馬の蹄の音がながれ込んだ時、城内の将兵は、思わず歓呼をあげた。そして自分らのあげる声かぎりの歓呼に、涙をながしていない者は一兵もなかった。
天機と人
この冬中、国境の小ぜりあいはやや小康を得たかに見えたが、それはかえって大きな動きを取る時の力の準備期であった。
翌、永禄の三年。
肥沃な海道の麦は青々とのびてきた。花がちって、新樹の若葉のにおいが蒸れ立って来た初夏である。義元は、上洛軍の出動を、府中から発令した。
大国今川の大規模な軍備とその旺んな行装は、宇内の眼をみはらせた。また、その宣言は、弱小国の胆をすくませるものだった。