후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 190,406자 · 381화면
こう信長からいわれて、彼は、その出発を待機していた。支度といっても何もない。留守は、ごんぞと下婢がいる。
「――供を申しつけると仰っしゃったが、御主君のお旅立ちとはおかしいな。何処へお出かけになるのだろ」
起き直って、今もぼんやり考えていた。そしてふと、庭垣に、夕顔の花の蔓を見ると、彼は、寧子のすがたを想い出した。
沙汰の下るまで、余り外出はすなと命じられていたが、夕風がふくと、彼は行水をひと浴みして、寧子の家の前を通ってみた。近頃はなぜか、訪れるのは、羞恥ましくて、それと寧子の両親に会うと、改まって、用事でもないと、こちらの肚を見透されそうなので、ただ、彼女の家の門を、行きずりの人の如く装って、行ったり来たりしてみるだけで、戻って来るのであった。
寧子の家の庭垣にも、夕顔が咲いていた。きのうの夕方は短檠に灯ともしていた彼女の姿を、ちらと外から垣間見て、思いを果したように帰って来たが、夕顔の花より白いその折の横顔を、今ふと思い出したものであった。
「お目ざめでございましたか」
若党のごんぞが帰って来た。
ごんぞは直ぐ、井戸水を手桶に汲んで、藤吉郎が、独り坐っている庭先へまわり、