후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 185,353자 · 371화면
それに示す政道さえ公明ならば、水は器の中の平和に住むことを好む。
近江へ突入して、観音寺や箕作へ攻めかかったのが十二日。――そして二十五日にはもう信長の軍は、戦後の始末から領政の布告まですべてをすまして、
――一路中原へ!
と、琵琶湖の東岸から兵船をそろえて、大津へ出立していた。
たくさんな兵船の準備から、糧草や兵馬の積込みも、すべてが庶民の協力だった。
信長の武威にも勿論慴伏したが、より以上、江州の民衆が、一致して彼を支援したのは、
「この人なら」
と、何となく恃みがいある政治ぶりを見たからであった。
一時、戦火に狼狽して、
「どうなるか」
と、恐れうろたえた民心をつかんで、信長は、迅速に、
「安堵せよ」
と、いう公約を与えたのみであった。
こういう場合なので、細かい政綱などは立てている遑もない。また、後からすぐ改変するような細目にわたる政策などは無用でもあった。信長の秘訣は、
――迅速に。明らかに。そして庶民に安心を与える。
以外にはなかった。
安心は、信頼であった。乱国の民衆が、心から欲しているのは、決して、水も洩らさぬ政治を施す手腕家でもない。