후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 176,911자 · 353화면
「申しあげ難い使いですが、主君の仰せどおりにお伝えする。――御嫡子おひと方を質として、直ちに、徳川家へお渡しあるようにとのことでござった」
長島伊豆、安井将監と名のる徳川家の使者が、今朝、前ぶれもなく、黒田ノ城へ臨んで云った。
きのう秀吉の使いを追い返した沢井左衛門は、きょうは家康の使者に接し、急に、人質を求められたのである。使者は、彼の感情のうごきを怖れ、気をつかいながら云ったが、左衛門は、
「武門のならわし、あらかじめ用意申しておった」
と、さっそく一子文吾安雄に、家士二人を添えて、使者に託した。
伊豆と将監の二使は、その潔白にむしろ驚いて、
「先頃から徳川殿の内意により、諸家にむかって、御当家へなした同じ要請をして廻ったが、貴殿のようにあッさり質をさし出した者はほとんどない。何のかのと、例外なく支障をならべたり、日延べを策したり。……それをもってみるも、なお首鼠両端の日和見がいかに多いかがわかりますて」
と、一般的な実相を打ち明けて帰って行った。
ところが同日、家中へ伝わった風評によると、大垣城の池田勝入のところへは、同家から信雄への質として、伊勢の長島へやっておいた質人の紀伊守之助(勝入の長嫡子、二十六歳)が、突然、帰されて来たということだった。