후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 176,911자 · 353화면
宵闇の樹上から鉄砲で狙撃されたのである。馬上の影が、ただ一発の弾音に、地上へころげ落ちると共に、土民や野武士の入りまじったのが、十数名、もろ声あわせて突ッ込み、また瞬時に、風のごとく消え去った。
虚をつかれ、狼狽して、なすを知らなかった従者たちが、主人勘右衛門を抱き起してみると、佩いていた陣刀がなくなっていた。
日頃から、中川こそわが仇なりと広言していた池尻平左衛門という牢人者がある。下手人はそれと、みないった。
――これだけの情報が、十四日朝までには綜合された。黒田ノ城の者は、主将の沢井左衛門をはじめ、いちじるしく殺気をそよがせ、
「いつ清洲から、いかなる軍令があるやもしれぬぞ。馬には飼い、物の具ととのえ、荷駄兵糧の用意も変に応じて、ぬかりなきように」
と、いい合わせていた。
しかしその緊張した鋭角を、南尾張や伊勢方面の戦場へのみ向けていたのは不覚だった。また、きのうきょう、家康と信雄の在城する清洲本陣のみへそそいでいたのも間違いだった。
戦火は彼らのもっとも身近な、しかも致命な所に、飛び火していた。
ついにここ濃尾の大平野にも、その最初のものが、すでに昨夜からいぶり出していたのだった。