후리가나로 읽는 일본 고전
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
林 芙美子의 新版 放浪記(しんぱん ほうろうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 247,330자 · 497화면
私は下宿に昨夜間代を払わなかった事を何だかキセキのように考えている。お天陽様相手に商売をしているお父さん達の事を考えると、この三十円ばかりの月給も、おろそかにはつかえない。途中一升一円の米を二升買った。外に朝日を五つ求める。
干しうどんの屑を五十銭買った。母達がどんなに喜んでくれるだろうと思うなり。じりじりした暑さの中に、日傘のない私は長い青年の影をふんで歩いた。
「よくもこんなに焼けたもんですね。」
私は二升の米を背負って歩くので、はつか鼠くさい体臭がムンムンして厭な気持ちだった。
「すいとんでも食べましょうか。」
「私おそくなるから止しますわ。」
青年は長い事立ち止って汗をふいていたが、洋傘をくるくるまわすとそれを私に突き出して云った。
「これで五十銭貸して下さいませんか。」
私はお伽話的なこの青年の行動に好ましい微笑を送った。そして気持ちよく桃色の五十銭札を二枚出して青年の手にのせてやった。
「貴方はお腹がすいてたんですね……」
「ハッハッ……」青年はそうだと云ってほがらかに哄笑していた。
「地震って素敵だな!」
十二社までおくってあげると云う青年を無理に断って、私は一人で電車道を歩いた。