후리가나로 읽는 일본 고전
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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
長谷川 時雨의 新編 近代美人伝 (上)(めいじびじんでん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 129,076자 · 256화면
彼女はやがて鎌倉辺に暑さと人目を避けていると噂されたが、その年の暮に、弱まりきった身を抱えられて、思出の多い過去の家へと引取られた。彼女は家出をした家へ帰らなければならない運命に遭遇した。除籍された家へ、離別した夫の住む家へと運ばれていった。彼女が神経過敏に陥って、とがもない召使いを叱りちらし、時々発作的に自殺の気色を見せたということは尤もなことで、夜は十二時をすぎても眠られず、朝は遅いというようなことをいって責めるのは、あまりに普通人の健康なものに比較したばからしさだ。平静な時は読書に一日を費しているが、挙措動作が何処やら異っているので警戒しなくてはならないと見られた。
一年はたった。鎌子はその後どこか近県の別荘にあって、寛治氏の思いやりのあるはからいのもとに、病後の手あてと、心のいたみの恢復をはかっていると聴いた。そして彼女は羊を飼っているとも聴いた。暖かい土地で、人に顔をあわさず、朝夕べに讃美歌を口ずさみながら、羊の群をおっているのは、廃残の彼女にはほんに相応しいことだと思った。が、嘘かまことか、五月のある日の『東京日日新聞』紙面の写真版は、歌舞伎座がえりだという彼女が、自動車へ乗るところの姿をだした。