후리가나로 읽는 일본 고전
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しんさいゆうき
新西遊記
久生 十蘭
久生 十蘭의 新西遊記(しんさいゆうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 26,654자 · 52화면
智海は咫尺も弁ぜぬ砂霧のなかで藻掻きまわっていたが、砂の大波は後から後からうねってきて、あっという間に胸まで埋めてしまった。せめて山羊だけは助けようと抱きよせると、山羊は悲しそうな声で鳴きながら身を寄せてくる。智海は山羊をわが子のように抱きながら念仏をとなえていると、微妙のうちに風が変って、砂嵐が外れて行った。
三日後、ようやくマナサロワール湖のほとりへ出た。カン・リンポ・チェの霊山を対岸に見ながら僧房で夜を明かし、翌日、いよいよ東南ラッサの方へ最初の一歩を踏みだした。
踏附け道を辿ること百五十日、ラッサにつぐシカチェという大きな町を過ぎ、十二月二十七日、ギャトーに着いた。石造の家が多く、風俗も都風で、孤愁にみちた北西原の旅も終りになりかけている感じだった。ムヤツォという人を探して山羊をかえすと、かわりに騾馬を貸してくれた。ゲンバ・ラという山を降りた府関の前で弟が酒店をやっている。仮護照をもらうには区長の保証が要るが、弟は区長だから、それに頼めばよろしくやってくれるという。翌日、騾馬を曳いてギャトーを発ち、五日目に岩山の麓にある大弥勒寺という小寺で泊った。