후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしゃくしょこくばなし
新釈諸国噺
太宰 治의 新釈諸国噺(しんしゃくしょこくばなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 93,562자 · 179화면
小桶を覗いてみると無数のぼうふらがうようよ泳いでいる。
「金魚のえさか。」とひとりが興覚め顔して呟いた。
「えさだ。」もうひとりも、溜息をついて言った。
何だか白けた真面目な気持ちになってしまった。たかが金魚を、一つ十両で平然と買って行く人もあり、また一方では、その餌のぼうふらを売って、ほそぼそと渡世している人もある。江戸は底知れずおそろしいところだ、と苦労知らずの三粋人も、さすがに感無量の態であった。
小桶に一ぱいのぼうふらを、たった二十五文で買ってもらって、それでも嬉しそうに、金魚屋の下男にまで、それではまた、と卑しい愛嬌を振り撤きいそいそと立ち去るその小男のうしろ姿を見送ってひとりが、
「おや、あれは、利左じゃないか。」と言ったので、他の二人は、ぎょっとした。
月夜の利左という浮名を流し、それこそ男振りはよし、金はあり、この三粋人と共に遊んで四天王と呼ばれ、数年前に吉州という評判の名妓を請出し、ふっと姿をかくした利左衛門、それが、まさか、と思えども見れば見るほど、よく似ている。
「利左だ、間違いない。」とひとりは強く断定を下し、「あの右肩をちょっと上げて歩く癖は、むかしから利左の癖で、あれがまた小粋だと言って、わしにも右肩を上げて歩けとうるさくすすめる女があって閉口した事がある。