일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

横光 利一의 旅愁(りょしゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 576,941자 · 1138화면

아오조라 문고

――夜のヴァイオリンがかすかに鳴っている。甘いやさしいメロディに、愛する楽しみと、生きている喜びを、わたしらにささやいていてくれる。――

このような感傷的な唄もフランスの婦人が歌うと、水に浮んでいる白鳥も花も一しお矢代に旅の愁いを感じさせた。行き過ぎるボートの中からもアンリエットの歌に合せて低く唄うものがあった。千鶴子は指さきに水を浸しながら、遠ざかって行くボートの紅の提灯を振り返って眺め、オールが水を跳ねても水面に尾を曳く波紋から眼を放そうとしなかった。パビヨンロワイヤルの桃色の明りが見えて来ると、島に繁った花の樹が水の上から次第に白く朧ろに浮いて来た。

ブロウニュの森からサンゼリゼまでは、自動車に乗る間もないほど近かったカフェー・トウリオンフは凱旋門から下って来た左手にある、大きなカフェーの一つである。パリの日本人で上流階級を意識に入れて活動しなければならぬ人人の多くは、下町のモンパルナス一帯には出没しないが、山の手のサンゼリゼのカフェーにはいつもよく姿を現した。モンパルナスの日本人らは、山の手組の日本人を小馬鹿にして、「十六区のお方。」と呼び、サンゼリゼ組は下町者を、近よれば斬らるるのみと軽蔑して相手にしない風があったが、久慈や矢代は来て間もない一団であったから、日本人の縄張りなど考えている暇も