후리가나로 읽는 일본 고전
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
横光 利一의 旅愁(りょしゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 576,941자 · 1138화면
荷物の検査はどうしたものか容易に始まりそうもなかった。合服の襟を立てたくなるほどの冷たさにときどき矢代は胴を震わせた。油の黒く滲んだ床下に麻縄が解け紊れていて、一見工場の事務室のような待合室は、ソビエットに似合わしい素朴なものだった。
深夜のこととてどこかで眠っていたらしい検査官が、白く息を吐きながら遅れて顕れるといよいよ荷物の審査が始まった。まだ中学を出たばかりに見える若い検査官二人だったが、どちらも実直そうな好人物の相ながらも、威厳を保とうとする沈黙に努める風情が、並んでいる大人たち乗客の世ずれた表情の中で、初初しく緊って見えた。通過の荷物には白墨で強く十字のマークが打たれた。入ソのときそこの国境で、持ち込み禁止の荷物を提出し封印をされたが、旅客が途中でそれを開封し使用した形跡の有無を検べるのに手間取った。すると、南の荷物の中から封のない裸身の双眼鏡が一つ飛び出して来た。
「これは?」
検査官の調べがそこで停頓してしまった。取り上げられた双眼鏡のレンズが二つ無気味な光りであたりを見ていた。これは双眼鏡を奪われるだけではなく南が連れ出されて行く代物だった。