일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

横光 利一의 旅愁(りょしゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 576,941자 · 1138화면

아오조라 문고

と自問自答をし始めているような、苦しさに光りの滲み上げて来る眼差だった。それで良いのだそれで、悲しむことはない、と矢代は千鶴子に胸中で云いきかせながらも、無意味な幻影の退散を祝う寂しい気持ちも一刻ごとに強まるのだった。彼は話の緒口のほぐれたままに勢いづき、当り触りのないシベリヤの平原のことや、新聞社の競争に巻き込まれた滑稽さなどと、ただ饒舌っているという実感だけで話し始めた。その間、千鶴子はあまり彼の話など聞いてはいない恨めしげな様子で箸を動かしていたが、塩野と由吉は急に饒舌り出した矢代の話に面白がって、「ふむ、ふむ。」と乗り出しては声を立てて笑った。矢代はそれも遠くで聞えるように思われる笑いの底で、やっと気力を掻き集めてはまた饒舌った。

「しかし、とにかく、地球というものは、妙な顔をしてますね。世界は幻影というものが起るように出来ていますよ。どうも僕らは善悪は別として、人間が悩まされている幻影を、拭き落してゆく運命を持たされたような気がしますがね。やはり、平和を愛するのだ。」

と矢代は自分の話の最後を結んで、新しく出た椎茸の揚物に箸をつけた。

由吉も塩野も矢代の洩した意味が、何んのことだかよく分らぬらしく黙っていた。