후리가나로 읽는 일본 고전
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
横光 利一의 旅愁(りょしゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 576,941자 · 1138화면
途中で馬橇に出会うと、路を除けあうのにこれがまた時間がかかった。矢代は押しつけて来る山の高い雪層を仰ぎ、調べ物に来るには少し物好きすぎたかと思った。それも滞在中は小屋で自炊するつもりだったので、洋灯に照し出された馬橇の足を食い込んでいる雪の深さに不安も感じた。
もともと一度前に、矢代はここへ来て友人と自炊をした楽しい経験があってのことで、初めてではなかったが、そのときは五月で、冬の山の自炊はこの度びが初めだった。山小屋の附近に温泉もあり、そこの宿も馴染みの家だったから、困れば宿に泊りつづけても良かったのだが、帰ってから日ごとに都会がいやになって来るばかりのこのごろの矢代は、一つは馴れぬ冬の山の自炊生活もしてみたくて出て来たのである。それもチロルの山小屋を思いきれない苦肉の策も手伝っているとはいえ、今はそれもやむを得ないことだった。
その夜彼は宿へ泊った。数年前にいた番頭がまた戻っていて矢代には都合が良かった。前に来たときより建増して倍ほども大きくなっている宿の中では、階下にあった浴槽が二階の中央に変っていて、高く突出した展望のよく利く広広とした位置を取り、どことなく外国のテラスに似た明るい美しさが好ましかった。