일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

横光 利一의 旅愁(りょしゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 576,941자 · 1138화면

아오조라 문고

と不意に訊ねた。今夜はこれで久木男爵とも会う最後かもしれないと思っていたときとて、矢代は、この男爵の不意打の誘いにはすぐには返事が云い遅れた。

「御都合が悪ければ、その次の週にしますか。その次なら良いでしょう。」

とまた男爵は黙っている彼に重ねて訊ねた。

「ええ。ありがとうございます。」

と矢代はこのときも答え渋るのだった。彼は自分の父が先代の男爵家の社員だったことをまだ云いそびれていた苦しさが、再び蘇って来たための不決断だったが、なおこの男爵の親切さが旅先までも続けられることを思うと一層窮屈に閉じ込めてゆくにちがいない自分の気質を思い、矢代は落ちつきを失った。しかし、何ぜまたそんなこと一つを、男爵に云えないものかと思うもどかしさも苦しく責め上って来るにつれ「云ってはならぬ。それだけは今は云わぬが良い。」と囁く声にもまた締められて、彼は暫く車の速度も忘れていたほどだった。

「私はどうも不調法な性質なものですから、旅先だと却っていつも人に迷惑をかける始末になるんですよ。」

こう云う矢代を男爵は彼の遠慮とのみ解して、それには特に触れようともしなかった。そして、「わたしは会社の仕事を、何も考えない時間がときどきほしいんですよ。