후리가나로 읽는 일본 고전
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かにのかい
日本の怪談(二)
田中 貢太郎
田中 貢太郎의 日本の怪談(二)(かにのかい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 80,664자 · 171화면
「さようでございますよ」と、女房は体をこわばらせたようにしていた。
「あれの死んだのは、何時であったかな」と、九兵衛は考えて、「十一日か、……それで、そうすると、明日は四十九日じゃな」と、またすこし考えて、「よし明日は勘右衛門に頼んで我家から三十目足して、六十目にして、通西軒と瑞光寺とに三十目ずつ収めて、供養をしてやろう」
蠅はもう見えなくなっていた。そして、朝になると臙脂をつけたその怪しい虫は、また何処からともなく出て来て九兵衛と女房の傍をちらちら飛んだ。二人はもう蠅のことは云わずに黙ってその姿を見ていた。
朝飯がすんだところへ勘右衛門が呼ばれて来た。蠅は女房の膝頭にとまった。
「蠅が戻って来たよ」と、九兵衛はその顔を見た。
「なに、彼の蠅が戻った」と勘衛門はあきれて眼を※(「目+爭」、第3水準1-88-85)った。
「それ、その蠅だ」と、彼は女房の膝頭の蠅に指をさしながら、女の供養のことを話して、「で、御苦労でも、お前にお寺へ往ってもらいたいが」
「往きましょう、それが宣しゅうございましょう」と、勘右衛門は承知した。
女房が勘右衛門に渡す銀を執りに起とうとすると、蠅は九兵衛の右の手の甲に移った。