후리가나로 읽는 일본 고전
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せっしょうせき
日本の諸国物語
楠山 正雄
楠山 正雄의 日本の諸国物語(せっしょうせき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 75,040자 · 158화면
こういうわけですから、年ごろの娘を持った家は、毎年その時分になると、今年は白羽の矢が立つのではないかと思って、びくびくふるえておりますが、いよいよどこかのうちに矢が立ったときまると、まあまあよかった、今年ものがれたといって、おもちをついてお祝いをいたしますが、矢の立った家こそ、それはみじめなもので、もうその日からうち中が娘を真ん中に抱えて、昼も夜も泣き通して、目も当てられない有様です。それであなたのごらんになったその家こそ、今年矢の立った家なのでございます。」
このおばあさんの長話を、六部はつくづく聞いて、
「世の中にはらんぼうな神さまもあるものだ。かわいそうに、年のゆかない娘を人身御供に取るなどというのは、悪いことだ。どうかしてやめさせる工夫はないものか知らん。」
と思いながら、茶店を出ました。
六部はそれから行く道々も、人身御供に上げられるかわいそうな娘のことや、大事な一粒種を取られていく両親の心を思いやって、人知れず涙をこぼしながら、やがて村を出はずれました。それから、おばあさんがさっき指さしをした山へかかりました。だんだんお社に近づくに従って森が深くなって、まだ日が暮れたというでもないのに、杉やひのきの大木の重なり合ってしげった中からは、まるで日の目がもれません。