후리가나로 읽는 일본 고전
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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
坂口 安吾의 明治開化 安吾捕物(めいじかいか あんごとりもの)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 42,950자 · 85화면
これにまさる聡明な判断があるものではない。しかも、問いつめられ、威圧されてそうなったのではなく、自分で静かに吟味して、冷静にだした結論だ。この場に処してかく為しうる人は驚くべき聡明冷静な人であろう。およそ狂人の片鱗だにも見られはしない。
「偉なる人、聖なる人、兄よ」
克子は叫びたいと思ったほどだ。
兄は静かに質問に答えた。
「この者は、妻シノブです」
すこし、からだがふらついていた。それは病臥の果てであるから、当然のことである。そして、声は総ての耳には聴きとれなかったほど低かったが、低声は兄の生れつきのものでもあるし、衰弱によって甚しくもなっていた。他に異状はない。真実を答えれば足りると信じ、そしてただ真実を答えた平静さ。これ以上に聡明な人為と品格を表わす例が他にありうるだろうかと克子は感動して見まもったほどであった。
ところが、意外にも、叔父は同じ物を指して、また、訊ねた。
「あれは、そなたの何者でござるか?」
しかし、叔父の態度も、もはや慌ててはいないのだ。むしろ怒っているように見えた。
「たぶん、叔父の耳には兄の声がききとれなかったのだろう。あるいは、答を聞きちがえたのかも知れない。