후리가나로 읽는 일본 고전
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むかしのことなど
昔のことなど
上村 松園
上村 松園의 昔のことなど(むかしのことなど)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 3,367자 · 7화면
ある時、先生は雨中の絵を描いていられました。水刷毛を刷いただけでは上っ面ばかりで充分に水気が絹に滲まないので、水気をしっくりと滲み込ませるために刷毛で刷いた上を濡れ布巾で颯っ颯っと擦ると具合がよくなります。その上に柳か何か描いては又その上を濡れ布巾で擦るのです。その擦る度びに絹がキュッキュッと音を立てるのです。先生が頻りにそれをやって居られると、隣の部屋からお園さんが出て来られては可愛いお声で、「オ父ちゃん、キュッキュッと啼いたなア」と言われる。すると先生が「ウム、キュッキュッと啼いたなア。も一遍やってみようか」と絹を颯っ颯っと擦られる。私は側でその可愛いお園さんを写生したこともありました。今だにふとそんな写生帳を見出して思いに耽らされることがあります。
やはりその頃だと思いますが、日曜日毎に先生は高島屋に行っていられました。そして夜になって帰られるのですが、その頃から御池のお宅の勝手口は門口から石畳みの露地になっていまして、そこをカランコロンと下駄の音がして来ると、アッ先生が帰らはった、とその音で先生の歩き癖が分るのです。ところが先生やとばかり思ってたら塾の人だったということがありまして、塾生は歩き癖まで先生に似るものかと感心さされたことがありましたが、その後気がつきますと西山(翠嶂)さんが莨を喫んで