후리가나로 읽는 일본 고전
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はるかぜあまねし
春風遍し
小川 未明
小川 未明의 春風遍し(はるかぜあまねし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 1,659자 · 4화면
しかし今は何もかもおそいという感じがします。そしてこれまで朧気にしか意識に上らなかった死というものが、この頃何を見る目にもつきまとって来たように感じられるのであります。若いうちは、ベクリンの描いた如く、孤独な、また暗い、深淵のような感じを死に対して持ったが、この頃年をとってからは、大分ちがって灰色にはちがいないが、永遠の休息とでもいう安らけささえ感じられるのでした。いま盛なる人と雖も、やがては後から来るであろうという一種の悟りに似たような冷淡を覚えるのであります。曾ては金持や、資本家というものを仮借なく敵視した時代もあったが、これ等の欲深者も死ぬ時には枕許に山程の財宝を積みながら、身には僅かに一枚の経帷衣をつけて行くに過ぎざるのを考えると、おかしくなるばかりでなく、こうした貯蓄者があればこそ地上の富が保存されるのであって、いつかはまた縁なき者の手に渡るのでここに常ならぬ人生の姿がある訳であります。自分は貧乏なればこそ物に囚れず、従ってこの気安さがあり、自然の美に親しむことが出来るのでありましょう。
いま私は陣々たる春風に顔を吹かせて、露台に立っています。