후리가나로 읽는 일본 고전
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ダーク・ミニスター
暗黒公使
夢野 久作
夢野 久作의 暗黒公使(ダーク・ミニスター)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 214,561자 · 420화면
けれども騒ぎの方は次第に烈しくなった。とうとう三十頭の馬が皆騒ぎ出したらしく、どかんどかんばりばりと板を蹴破る音、嘶く声、急を呼ぶ人々の叫びが暴風のように、又は戦争のように場内に響き渡った。その中から髪を振り乱した素跣足の女が十人ばかり、肉襦袢ばかりの、だらしない姿のまま悲鳴をあげて場内へ逃げ込んで来た。
これを見たハドルスキーは私を抱えたまま立ち止まって二三秒の間じっと考えているらしかったが急に私を放して巡査と人足に渡して、巧みな日本語で、
「此奴を逃がさないようにして下さい。罪人ですから……」
と云い捨てたまま、他の西洋人と一緒に楽屋の方に走って行った。
私は四人の巡査と人足にしっかりと手足を押えられたまま、気抜けしたようになって立っていたが忽ち巡査を振り放した。組み付いて来る人足を跳ね飛ばし投げ付けて、落ちた帽子を拾うが否や、ハドルスキーの後を逐うて行った。私を欺いた憎むべき悪少年、呉井嬢次を捕えるためである。
見物は総立ちになった。吾も吾もと仕切りの柵を越えて、演技場の中に走り込んで、一時に楽屋の入口の方へ殺到した。いつ這入って来たものか四五名の巡査が手を挙げて制しているが、野次馬は益々殖えるばかり……楽屋の入口は見る間に人足と巡査と見物の群で、押すな押すなの大雑沓を極めた。