후리가나로 읽는 일본 고전
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すだま
木魂
夢野 久作
夢野 久作의 木魂(すだま)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 23,668자 · 46화면
その中にも同僚の橋本訓導は、真先に椅子から離れて駈け寄って来て、彼の肩に両手をかけながら声を潤ませた。
「……ど……どうしたんだ君は。……シシ……シッカリしてくれ給え……」
眼をしばたたきながら、椅子から立ち上った校長も、その横合いから彼に近付いて来た。
「……どうか充分に休んでくれ給え。吾々や父兄は勿論のこと、学務課でも皆、非常に同情しているのだから……」
と赤ん坊を諭すように背中を撫でまわしたのであったが、しかし、そんな親切や同情が彼には、ちっとも通じないらしかった。ただ分厚い近眼鏡の下から、白い眼でジロリと教室の内部を見廻わしただけで、そのまま自分の椅子に腰を卸すと、彼の補欠をしていた末席の教員を招き寄せて学科の引継を受けた。そうして乞食のように見窄らしくなった先生の姿に驚いている生徒たちに向って、ポツポツと講義を初めたのであった。
それから午後になって教員室の連中から、
「無理もない」
というような眼付きで見送られながら校門を出るとそのまま右に曲って、生徒たちが見送っているのも構わずにサッサと線路を伝い初めたのであった。……又も以前の通りの思出を繰返しつつ、……自分の帰りを待っているであろう妻子の姿を、木の間隠れの一軒屋の中に描き出しつつ……。