후리가나로 읽는 일본 고전
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ほんじょまつざかちょう
本所松坂町
尾崎 士郎
尾崎 士郎의 本所松坂町(ほんじょまつざかちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 27,622자 · 55화면
それに、立てつづけに呷る冷酒の酔いも手伝っていたであろう。彼の眼は憤りともつかず、悩ましさともつかぬ一種異様な輝きをおびてきた。
彼は、チェッと舌打ちをしてから忌まいましそうに上唇を舐めた。それから土間へおりていった。裏戸のカンヌキをかけるためである。
こび権はカンヌキをかけた上に突っかい棒をした。
「おい」
おのぶの横へ、ぴったりと坐るが早いか、矢庭に彼女の両肩を抱きすくめた。
「お前さん――春次郎が」
苦しそうに喘ぐおのぶの肩は、ぐっと前へひきよせられた。こび権はひと息に行燈の灯を吹き消した。
「いいってえことよ、なア、お前と向いあっているうちに頭が、かあっとのぼせてきた、おらア、お前が好きだよ」
環境と雰囲気次第では、こび権よりも、もっといやな男に身をまかした経験がないわけではない。祭の夜にふらふらと入ってくる若い衆たちを迎えるためにも、こっそりうす化粧をすることを忘れたことのないおのぶだった。しかし今夜の境遇にいて、こび権の自由になる気はなかった。男の力がぐっと彼女の上体に加わって、あやうく横へねじ倒されようとしたとき、おのぶは無気味な悪寒に全身粟だつような思いで、倒れながら男の顎を下からつきあげた。