일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ほんじょまつざかちょう

本所松坂町

尾崎 士郎

尾崎 士郎의 本所松坂町(ほんじょまつざかちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 27,622자 · 55화면

아오조라 문고

お絹の悲しさはおさえがたき愛著に変ってくる。高い杉の梢から流れてくる月光の下でお絹はぴったりと藤作によりそった。そこから長い石段をおりると、名主利右衛門の屋敷はすぐ左にひらけた藪のかげにあった。どこかで、ほう、ほう、と梟が啼いている。

この事件が村じゅうにひろがったのは翌る日の朝である。その前夜、下手人藤作の自首によって一切のことが明るみへさらけだされた。

事件は、いちいち面倒な詮索や調査をするまでもなく至極簡単明瞭であった。殺人行為の発生すべき直接の誘因はどこにもない。加害者にも被害者にも恩怨にからまる感情のなかったことはいうまでもないからである。藤作はこのとき、すでに死を決していた。名主利右衛門はこの事件をいかに処理すべきかということについて考え惑ったが、しかし順当な判断をもってすれば、いかに相手が悪評の高い男であったとしても、殺人の罪だけはまぬがるべくもないのである。

このとき六十をすぎた村の長老である利右衛門は、この事件を正式に法律の裁きにかけて、藤作の一生をむざむざと葬り去るに忍びぬ気持になっていた。いろいろ考えあぐんだ末に彼は藤作をつれて陣屋に出頭し、吉良荘の代官唐沢半七郎に事情を具申した。