후리가나로 읽는 일본 고전
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ほんじょまつざかちょう
本所松坂町
尾崎 士郎
尾崎 士郎의 本所松坂町(ほんじょまつざかちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 27,622자 · 55화면
「おそれながら、骨格衆にすぐれ、見るからに逞しく存じあげます」
利右衛門がそういったとき、半七郎の顔には当惑の色がうかんできた。
「某より申上げます。唯今、仮牢にて吟味中でござりまするが、それも野良着のままにて御前へ推参いたさせますることはいかがかと存じまするが」
「いや、その心配には及ぶまい、すぐつれてまいれ」
鶴のひと声である。二人はすぐさま領主の御前をひきさがった。
これはまるで夢のような――いや、夢にしたところで、このような運命の忽然とひらけることはあるまい。野良着のままで上野介の前にひきだされた藤作は、事件に対しては一言半句のお咎めもなく、その日から左兵衛附の小姓にとりたてられ、名を一学と改めることにきまった。名主、利右衛門をはじめ、藤作の身の上を案じていた村びとたちは事の意外におどろきながらも、しかし一様にほっと胸を撫でおろした。さすが名君の裁きである。
それから十日ほど経って、左兵衛の一行が到着すると、御霊屋びらきの式典が催された。その夜、陣の前には夜更くるまで篝火が燃え、村民の奉納した花火の音が、おぼろ月夜の空にはじけていた。うねうねとつづく山車の列は、笛、太鼓の囃子に調子を揃えて山門から霊屋の前まで、炬火の光りを先登に、あとからあとからと、夜あけがたまでつづいていた。