후리가나로 읽는 일본 고전
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ほんじょまつざかちょう
本所松坂町
尾崎 士郎
尾崎 士郎의 本所松坂町(ほんじょまつざかちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 27,622자 · 55화면
ないという約束で、強引に築きあげてしまった。全村の農民が土木工事に参加した。高さ十三尺、長さ百間の堤防は一夜のうちに出来あがってしまったのである。
これがために水害はたちまち跡を絶った。新秋の風は肥沃千里の田園をかすめて、村民の生活は年毎に裕福になってきた。それが終ると、彼はすぐ道路の改修にとりかかり、一種の耕作整理を断行した、――すべて、上野介が四十をすぎてからの行状で、領民と彼との接触はいよいよぬきさしならぬものになってきた。
このような隅々にまで善政の行きわたっている村に悪代官なぞのはびこる余地はない。入っては、従四位上少将、高家の筆頭、出でてはすなわち一代の名君、禄は僅かに四千二百石ではあっても、江戸城内における彼の権勢と、領地における実収入は優に四五万石の大名を凌駕していた。
その上、徳川家と彼との関係は単なる君臣という言葉で解決することのできないようなふかいつながりをもっている。
系図をひろげただけで一目瞭然であるが、彼こそは清和源氏の直流南北朝から応仁の乱を経て上野介の代にうつるまで五百余年間、そのあいだに幾度か変転する時代の波にもまれたとはいうものの吉良一族は、北条時政の娘を母として生れた義氏以来、同じ領地に君臨していた。