후리가나로 읽는 일본 고전
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とうかいどうごじゅうさんつぎ
東海道五十三次
岡本 かの子
岡本 かの子의 東海道五十三次(とうかいどうごじゅうさんつぎ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 13,849자 · 28화면
掃き浄めた朝の座敷で幽寂閑雅な気分に浸る。それが唯一の自分の心を開く道で、この機会に於てのみ娘に対しても素直な愛情を示す微笑も洩らせた。私は物ごころついてから父を憐れなものに思い出して来て、出来るだけ灰吹を奇麗に掃除してあげることに努めた。そして灰吹に烙印してある吐月峰という文字にも、何かそういった憐れな人間の息抜きをする意味のものが含まれているのではないかと思うようになった。
父は私と主人との結婚話が決まると、その日から灰吹掃除を書生に代ってやらせた。私は物足らなく感じて「してあげますわ」と言っても「まあいい」と言ってどうしてもやらせなかった。参考の写生や縮写もやらせなくなった。恐らく、娘はもう養子のものと譲った気持ちからであろう。私は昔風な父のあまりに律儀な意地強さにちょっと暗涙を催したのであった。
まわりの円味がかった平凡な地形に対して天柱山と吐月峰は突兀として秀でている。けれども矗とか峻とかいう峙ちようではなく、どこまでも撫で肩の柔かい線である。この不自然さが二峰を人工の庭の山のように見せ、その下のところに在る藁葺の草堂諸共、一幅の絵になって段々近づいて来る。