후리가나로 읽는 일본 고전
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いなかがえり
林芙美子随筆集
林 芙美子
林 芙美子의 林芙美子随筆集(いなかがえり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 58,157자 · 118화면
この尾崎女史は、誰よりも早く私の書くものを愛してくれて、私の詩などを時々暗誦してくれては、心を熱くしてくれたものであった。妙法寺に住んでいた頃、やっとどうやら私の原稿が売れ出して来ていたのだが、この家へ越して一ヶ月すると、私は放浪記を出版する事になった。原稿が売れると云っても、まだまだ国へまで送金どころか、自分たちの口が時々干上るのが多くて、私はその日も勤め口を探して足をつっぱらして帰ったのであった。玄関の三和土の濡れた上へ速達が落ちていたのを、めったにない事だと胸をドキドキさせて読んで行くと、「放浪記出版」と云う通知なのであった。暫くは私は眼がくらくらして台所で水をごくごく飲んだものだ。嘘のような気がした。誰かが悪戯したのだろうと思った。七、八年と云う長い間、私の原稿などは満足に発表された事なんぞなかったのだ。原稿を持って雑誌社へ行って、電車賃もないのでぶらぶら歩いて帰って来ると、時に、持って行った原稿の方がさきまわりして速達で帰っている事があった。
この放浪記では、何だか随分印税を貰ったような気がしてうれしかった。長い間の借金や不義理を済ませて、私は一人で支那に遊びに行った。