후리가나로 읽는 일본 고전
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いなかがえり
林芙美子随筆集
林 芙美子
林 芙美子의 林芙美子随筆集(いなかがえり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 58,157자 · 118화면
巴里にいたとき、何度かこんな片言を云っていたが、京都でこんな言葉を使うとはおもいもよらないことだ。関西に住み馴れた仏蘭西人なのだろう。橋を渡ってさっさと改札口へ行った。同じ席にいた鼻をすする娘さんも京都で降りてわたしの横を改札口の方へ歩いて行っている。
朝なので、駅の前はしっとりしていて気持ちがよかった。ホテルの旗をたてた人力車が何台もならんでいたりする。東京駅には人力車なんてなかったが、京都は人力車が随分多い処だ。――縄手の西竹と云う小宿へ行った。小ぢんまりとした日本宿だと人にきいていたので、どんな処かと考えていたが、数寄屋造りとでも云うのだろう、古くて落ちついた宿だった。前が阿波屋と云う下駄屋で、狭い往来はコンクリートの固い道だった。荷車に花を積んだ花売りが通る。赤い鉢巻きをした黒い牛が通る。朝の往来はすがすがしかった。わたしの部屋は朝だと云うのに暗くて、天井の低い部屋だった。裏は四条の電車の駅とかで、拡声機の声がひっきりなしに聴えて来る。わたしは小さい机に凭れて宿帳を書き、障子を開けてみたり、鏡台の前に坐ってみたりした。明日の講演さえなければ奈良の方へでも行ってみたいなとおもった。