후리가나로 읽는 일본 고전
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いなかがえり
林芙美子随筆集
林 芙美子
林 芙美子의 林芙美子随筆集(いなかがえり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 58,157자 · 118화면
電車の駅近くへ出ると、小料理屋の間に挟まって、大石内蔵之助の住んでいたと云う、写真や高札を立てた家があった。黄昏ちかくて、くたびれきっていたが私は這入ってみた。家の中は暗くていい気持ちではなかった。入口から等身大の義士人形がずらりと並んでいた。打ち入りに使った色々なものがてすりの向うに飾ってあったが、暗くて詳しく眼に写って来なかった。小砂利が家じゅう敷きつめてあって、地獄極楽を観に来たような感じだった。義士人形は古いせいか、顔の色が褪せて、指がかけていたり、鼻がこぼれていたりして、気味の悪い姿だった。
*
電車で宿へ帰ると、また風呂へ這入り、わたしは机の前に坐ってみたが、何となく落ちつかないで困ってしまった。明日の十二日は啄木の記念日だと云うのだけれども、啄木が生れた日なのか亡くなった日なのか、それさえわたしは知らない。読むにはどんな歌がいいだろうと、わたしはトランクから啄木歌集を出してあっちこっちめくってみた。
百年の長き眠りの覚めしごと
呻してまし
思ふことなしに
山の子の
山を思ふがごとくにも
かなしき時は君をおもへり
こんな歌が眼にはいった。