후리가나로 읽는 일본 고전
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そり
橇
黒島 伝治
黒島 伝治의 橇(そり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,663자 · 24화면
彼の長靴は雪に取られそうになった。吉原に錆びさせられて腹立てた拍車は、今は、歩く妨げになるばかりだった。
食うものはなくなった。水筒の水は凍ってしまった。
銃も、靴も、そして身体も重かった。兵士は、雪の上を倒れそうになりながら、あてもなく、ふらふら歩いた。彼等は自分の死を自覚した。恐らく橇を持って助けに来る者はないだろう。
どうして、彼等は雪の上で死ななければならないか。どうして、ロシア人を殺しにこんな雪の曠野にまで乗り出して来なければならなかったか? ロシア人を撃退したところで自分達には何等の利益もありはしないのだ。
彼等は、たまらなく憂欝になった。彼等をシベリアへよこした者は、彼等がこういう風に雪の上で死ぬことを知りつつ見す見すよこしたのだ。炬たつに、ぬくぬくと寝そべって、いい雪だなあ、と云っているだろう。彼等が死んだことを聞いたところで、「あ、そうか。」と云うだけだ。そして、それっきりだ。
彼等は、とぼとぼ雪の上をふらついた。……でも、彼等は、まだ意識を失ってはいなかった。怒りも、憎悪も、反抗心も。
彼等の銃剣は、知らず知らず、彼等をシベリアへよこした者の手先になって、彼等を無謀に酷使した近松少佐の胸に向って、奔放に惨酷に集中して行った。