후리가나로 읽는 일본 고전
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はるはばしゃにのって
機械・春は馬車に乗って
横光 利一
横光 利一의 機械・春は馬車に乗って(はるはばしゃにのって)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 77,492자 · 156화면
しかし、罷業はしなければならぬというので、政府は四苦八苦の状態になって来ている」と一人の客が云った。
「しかし、政府は潰れた資本家に裏から資金を与えて起き上らせているともいうよ」とまた他の客が云う。
「そこへまた罷業を起すというわけか」
どっと笑う声の上った後(あと)からすぐまた不安な低声がつづいていく。集っている十人のものたちはそれぞれ誰もが左翼らしい雰囲気(ふんいき)であるが、自分の身分が利子生活者のこととて罷業進行の結果は金利が引き下がり、日々直接身に響いていくばかりではない。物価の昂騰(こうとう)につれて右翼の非常手段がいつ爆発するか分らぬ恐れがあった。つまり、梶の眼に映った一同の不安は思想と現実とののっぴきならぬ苦悶(くもん)である。然(しか)し、パリー人というものは自身や他人の金利のことについては口に出さぬ。もしこれに一口でも触れようものならパリー生活の秩序は根柢(こんてい)から破壊されてしまうのだ。それは日本に於ける義理人情の如きものでこの生活を破壊して自由はないのであった。思想は生活の自由を尊重すればこそ思想である。しかし、その思想が市民の根柢をなす金利を減少せしめ、自由の生活を破壊に導く火を噴き上げている現在においては、市民の思想とはいかなる種類のものであろうか。